日本のブナは、南は鹿児島県大隅半島から北は北海道渡島半島まで分布し、太平洋側の長万部町から本町を経て、日本海の寿都町へ続く黒松内低地帯がブナの北限になります。
歌才ブナ林はブナ自生北限地帯を代表する森として、昭和3年に国の天然記念物に指定されました。
およそ1万年前の最終氷期に東北南部にあったブナの北限は、その後気候の温暖化にともなって少しずつ北進してきました。ブナが函館に到達したのが約6000年前、歌才には1000年前に到達したことがわかっています。現在もブナは北進の途上である言われ、近年の地球温暖化の影響も含め、500年後、1000年後にブナの北限はどのように変化しているでしょうか?

歌才ブナ林は黒松内市街地の近くにあるブナの自然林です。
普通ブナの森は、人の入りづらい山奥にありますが、歌才ブナ林はまちと隣あわせ。往復約2時間のコースを歩くと、手つかずの自然を身近に体験することができます。歌才ブナ林は、自然の博物館といえるでしょう。
季節ごとに彩りを変える美しい草花、軽やかにさえずる小鳥、そして動物や昆虫などにかこまれての森林浴は、訪れる人々の心をやさしく包み込んでくれます。
歌才ブナ林の散策路沿いには、その季節ごとに、色とりどりの草花が咲いています。美しい花やめずらしい植物。
はじめは、歩くことに一生懸命になって、気付かないかもしれません。でも、何も急ぐ必要はありません。自然のなかに入ったら、ときには足を止めて、周りをゆっくりと見渡してください。きっと、いろんなものが見つかるはずです。「あれはなんだろう」と、何かに気づくことから、自然とのふれあいが始まります。ブナの森は、新しい発見の宝庫なのです。
森に足を踏み入れると、さまざまな鳥のさえずりやはばたきが聞こえてきます。春先には、コロロロロ…というキツツキの「ドラミング」も聞こえてきます。
そっと、声がする方向を探してみましょう。「声は聞いたことがあるけど、見たことがない」という鳥がみつかるかもしれません。
鳥をみつけたら、よく観察して大きさや色など、気づいた特徴をメモしておきましょう。
ブナセンターの「森の図書館」には、鳥の図鑑がたくさんあるので、詳しく調べてみると、新しい発見がたくさんあって、野鳥が身近な友達に感じられます。
9月下旬から木々の紅葉がはじまり、10月後半がブナの黄葉の見頃です。11月上旬には、ブナの葉は落ちています。
冬、雪に覆われたブナ林を、かんじきをはいて散策することで、ほかの季節では行けない場所でも、自由に歩くことができます。
注意 歌才ブナ林は天然記念物です。草花、キノコ、昆虫などを採ること、また、葉っぱ1枚石ころ一つでさえも持ち帰ることはできません。
さらに、散策路以外の場所に踏み込むこと、ゴミを捨てること、たばこを吸うなど火を使うことは厳禁です。