【北限のブナ林】を代表する歌才ブナ林

 「北限のブナ林」を代表する森。市街地からわずか2キロの場所にある原生林で、樹高約30メートル、幹の太さが直径100センチという巨木の数々は、北限の地にあるという雰囲気を全く感じさせません。
 大正13年、国の天然記念物指定に向けて調査員として歌才ブナ林を訪れた新島善直博士は、開墾された中に残るこの森を「かくのごとき原始林を残留せるは奇跡というべし」と讃え、スラリと伸びた幹と幹の上部で広がる枝葉を「北のヤシの木」と表現しました。
 これまで歌才ブナ林は、2度の伐採の危機を乗り越えてきました。1度目は太平洋戦争末期の昭和19年ごろ、戦局は悪化し、国内の物資も極端に不足しているなかで、飛行機のプロペラ材として歌才のブナが伐採されそうになりました。しかし北海道大学館脇操教授が、北限のブナの学術的価値を強硬に訴え計画は中止になりました。 2度目は昭和29年、当時の村が、財政赤字を埋めるために歌才のブナに目をつけ、天然記念物指定解除を働きかけたとき、地元住民の有志が、文化財保護委員会や衆議院議員など関係各所に恒久保存を訴える請願書を送り、その努力のかいあって指定解除は行われず、現在も黒松内町のシンボルとして訪れる人々を迎えてくれます。


 ■国の天然記念物指定(昭和3年)








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