フットパスとは、イギリスで発祥した歩行者専用の道。イギリス全土で網目のように設けられ、総延長は22万kmを超えるといわれています。
幾つもの町や村、森や川、海岸線を巡る大規模なものから、ひとつの地域を歩く短いものまで、様々なフットパスがあります。コースは特別に演出されたものではなく、途中にあるパブなどで休憩して地元の食を味わいながら、町から町へ、農地や森林、川沿いを通って、それぞれの地域の歴史・文化、風景をスローな視点でゆっくりと楽しむことができる道。
それが、フットパスです。


フットパス(Foot Path)は歩行者専用ですが、乗馬や自転車でも通行できるブライドルウェイ(Bridle Way)、さらに車やバイクも通行可能なバイウェイ(By Way)と、主に3種類の道があります。イギリスでは、これらの公共の権利によって公衆の通行が許可されている権利通路を、ライト・オブ・ウェイ(Right of Way)と呼びます。その他にも、地権者により一時的に公衆の通行が許可されているパーミッシブ・フットパス(Permissive Footpath)があります。
ウォーキング大国といわれるイギリスですが、フットパスの利用者が増加したのは第二次大戦後のことです。車社会が広範囲に浸透したことへの反動で、自然の中で手軽で身近なレクリエーションとして自然道を歩くことが盛んになったといわれています。

しかし、国土の8割以上が個人の所有地であるイギリスでは、フットパスは私有地を通ることになり、この中には通行を禁止する所有者もいました。それに対抗して、フットパスの自由通行権要求運動が高まり、1932年、「歩く権利法」が制定され、法的にフットパスを歩く権利が人々に与えられました。そうした背景があり、フットパスはイギリスの文化と言われるほどになりました。

イギリスの通行権とは、国有地・私有地の区別なく通行することが認められる権利です。昔からその土地が公衆の道として使われていたのであれば、その道を誰もが自由に通り抜ける権利があるとういものです。フットパスとして通行が許可されているのは、権利通路として認められた道のみです。通行の際はマップ・標識をしっかり確認し、マナーを守りましょう。

イギリスの通行権に関する法律の解説書
黒松内町では、マイペースで歩けるフットパスづくりを平成16年より進めてまいりました。町内の豊かな自然や美しい農村景観などをゆっくりと楽しみながら歩き、途中にある農家・お店での休憩、歌才自然の家などでの宿泊、黒松内の自然が生み出したチーズやハムといった特産品・こだわりの食材などを味わい、町の人たちと交流する。通過型ドライブ観光では味わえない、スローな視点でじっくりと黒松内をお楽しみいただけます。

黒松内フットパスのこれまでの活動はこちらでご覧いただけます。